融資・資金調達

創業計画書の書き方——融資担当者が見る5つのポイント

創業融資審査の中心となる「創業計画書」の書き方を、融資担当者の視点で5つのポイントに分けて解説。

執筆: Founder's Money 編集部 · 3 分で読了 ·

創業融資の審査で最大の評価対象となるのが創業計画書。融資担当者は何を見ているのか、5つの主要ポイントを解説する。

ポイント1: 経営者の経歴・経験

担当者が見るポイント

「創業する事業に関連する経歴があるか」「過去に類似の業務経験があるか」。経歴と事業の連続性が示せれば、事業推進力が信頼される。

記載のコツ

  • 勤務先の企業名・部署・業務内容を具体的に
  • 関連する業界経験年数を明記
  • 取得した資格・参加したセミナー
  • 過去の実績(売上規模・担当顧客数など)

不足している場合の対処

業界経験がない場合、参加したセミナー・受講したスクール・関連書籍の読書歴・予備調査の内容で補強。「未経験だが100社の同業者をヒアリングした」など、努力の跡を見せる。

ポイント2: 商品・サービスの差別化

担当者が見るポイント

「同業他社と何が違うのか」「なぜ顧客がこの会社を選ぶのか」。差別化点が明確でないと、市場参入後の競争に勝てないと判断される。

記載のコツ

  • 競合他社の名前を3〜5社挙げる(具体名)
  • 競合の強みと弱みを整理
  • 自社の強みを「価格・品質・スピード・サービス・地域」のどれで実現するか
  • 差別化を支える証拠(技術・人材・取引先・特許など)

避けるべき記載

「親身な対応」「丁寧な品質」のような抽象表現。具体性がないと差別化と認められない。

ポイント3: 売上計画の根拠

担当者が見るポイント

「売上計画の数字に根拠があるか」「なぜその数字が達成できるのか」。根拠の薄い売上計画は審査でマイナス評価。

記載のコツ

  • 売上 = 単価 × 顧客数 × 頻度 で分解
  • 各要素の根拠(市場調査・競合分析・取引先候補との会話)
  • 初月→3ヶ月→6ヶ月→12ヶ月の段階的成長
  • 業界平均との比較

段階的成長の例

時期 顧客数 月売上 根拠
初月 5社 50万円 事前内諾済み
3ヶ月後 10社 100万円 営業活動による積み増し
6ヶ月後 20社 200万円 口コミ・継続顧客
12ヶ月後 30社 300万円 マーケティング強化

ポイント4: 資金使途と必要金額

担当者が見るポイント

「融資金を何に使うのか」「金額は妥当か」。使途が曖昧だと、必要性を疑われる。

記載のコツ

項目 金額 内訳・根拠
設備投資 200万円 PC×3台、什器、内装
広告宣伝費 100万円 初年度Web広告(月8万円×12ヶ月)
運転資金 200万円 家賃・人件費の3ヶ月分(売上が立つまで)
合計 500万円

避けるべき記載

「広告費」だけでは不十分。「Web広告月8万円(Google広告5万円・Facebook広告3万円)」のように、媒体別の内訳を示す。

ポイント5: 返済計画

担当者が見るポイント

「月々の返済が確実にできるか」「返済原資はどこから出るか」。返済計画が無理だと、初回審査で却下される。

記載のコツ

  • 融資金額・返済期間・据置期間を明示
  • 月々の返済額を計算
  • 返済原資は売上ではなく「営業利益」「営業キャッシュフロー」
  • 返済比率(月返済額÷月営業利益)が30%以下が目安

計算例

融資500万円・期間7年・据置6ヶ月の場合:

  • 月返済額: 約65,000円
  • 必要月営業利益: 195,000円以上(返済比率33%以下)

事業計画書全体の構成

  1. 表紙
  2. 創業者プロフィール(経歴・志望動機)
  3. 事業概要
  4. 商品・サービス
  5. 市場分析・競合分析
  6. マーケティング計画
  7. 売上計画(月別・年別)
  8. 原価・利益計画
  9. 資金計画(設備・運転資金)
  10. 返済計画

事業計画書のページ数

5〜10ページが標準。短すぎても長すぎてもダメ。担当者が30分で読み切れる量に。

事業計画書作成のサポート

独力での作成が難しい場合、融資代行プロのような融資相談サービスを使うと、事業計画書のレビュー・修正提案を受けられる。「審査で見られるポイント」のプロの目線でブラッシュアップできる。

避けるべき記載

  • 主観的な表現(「絶対成功する」「業界一になる」)
  • 根拠のない数字(売上1億円・利益率50%等)
  • 業界用語の濫用
  • 誤字脱字
  • 競合の悪口

面談での説明

事業計画書だけでなく、面談で口頭説明する力も重要。事業計画書を読み上げるのではなく、「ここがポイントです」と要点を端的に伝える練習が必要。

よくある質問

Q. 事業計画書のフォーマットは指定されますか?

A. 日本公庫は指定様式があります。信用保証協会付き融資は銀行の様式に従います。

Q. 事業計画書を書き直しても再申込できますか?

A. 一度否決された場合、3〜6ヶ月空けて再申込するのが一般的です。再申込時に事業計画の改善点を明示します。

創業計画書は「数字の根拠」「経営者の覚悟」「事業の差別化」を融資担当者に納得してもらうツール。5つのポイントを軸に、具体性と裏付けを徹底することで、初回審査の通過率は大きく上がる。

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