ファクタリング・資金調達
注文書・発注書ファクタリング(将来債権)を扱える会社
納品前の段階で注文書だけで資金化できる「将来債権ファクタリング」。扱える会社は限られるが、運転資金確保には強力な手段。
商品の納品や役務の提供がまだ完了していない段階——つまり注文書・発注書を受けたタイミングで資金化できるのが、注文書ファクタリング(将来債権ファクタリング)だ。一般的なファクタリングが「請求書ベース」なのに対し、こちらは「注文書ベース」で前倒し資金化を実現する。
仕組み——一般的なファクタリングとの違い
通常のファクタリングは、納品・検収後に発生する請求書を売却するスキーム。一方、注文書ファクタリングは、注文を受けた時点で「将来発生する売掛金」を売却する。
納品前のため、ファクタリング会社にとっては「納品履行リスク」「取引先の支払履行リスク」の2重のリスクを引き受ける必要がある。当然、審査基準は厳しく、手数料も10〜20%と高めになる。
注文書ファクタリングの典型的な利用シーン
シーン1: 仕入資金の確保
大型注文を受けたが、仕入れ先への支払が先に必要——というケース。注文書を担保に資金化し、仕入代金に充当する。
シーン2: 工事の着手金
建設業で多いパターン。長期工事の着手前に資材・人件費を立て替える必要がある場合に使う。
シーン3: ソフトウェア開発の先行投資
受注したシステム開発で、エンジニアの人件費を先行支払する必要がある場合。
扱える会社が限られる理由
注文書ファクタリングは事業者貸金業に近い性質を持つため、扱える会社は規制とリスク管理体制を整えた業者に限定される。一般的なファクタリング会社の中でも、注文書ファクタリングを扱うのは20〜30%程度というのが業界の感覚値だ。
主要な対応サービス
トップ・マネジメント
トップ・マネジメントの見積書・受注書・発注書ファクタリングは、業界でも珍しく注文書段階で資金化できるサービス。建設業・製造業・IT業に強い。
株式会社No.1
建設業者特化のファクタリングとして注文書段階の資金化に対応。建設業界の特殊なスキームに精通している。
審査で重視されるポイント
1. 取引先の信用力
大手企業や上場企業からの注文書なら審査通過率が高い。中小企業や個人事業主からの注文書だと厳しい。
2. 利用者の業績・履行実績
過去の同種注文に対する履行実績(納品完了率)が重要。創業初期の事業者は審査が厳しくなる。
3. 注文書の体裁
注文書に署名・印鑑・金額・納期・納品物の明細が明記されているか。電話やメールベースの簡易注文書では審査対象外になる。
4. 在庫・原材料の確保状況
納品履行リスクの低減のため、すでに原材料が確保されているか、外注先との契約があるかが評価される。
注意点——買戻し義務
注文書ファクタリングは、利用者側の事情で納品が完了しなかった場合、買戻し義務が発生するスキームが一般的だ。つまり「ファクタリング会社に支払った前払金を返金する」義務。
万一、納品履行できないと判断された場合に備え、契約書には「履行不能時の対応」条項が含まれる。借入と異なるとはいえ、実質的な責任は重くなる点を理解した上で利用したい。
注文書ファクタリングが向く事業者
- 大型注文を受けるが仕入資金が手元にない事業者
- 工事完了まで6ヶ月以上かかる建設業者
- カスタムメイド製造業(受注生産)
- 請負型のIT受託開発企業
よくある質問
Q. 口頭発注でも資金化できますか?
A. 不可です。書面での発注書または注文書(または契約書)が必須となります。
Q. 注文書段階で何%まで資金化できますか?
A. 一般的に注文金額の50〜80%程度です。納品リスクを反映して、満額にはなりません。
注文書ファクタリングは仕入資金確保の強力な手段だが、リスクも大きい。「履行できる確度」と「資金繰り改善幅」を天秤にかけ、慎重に選びたい。