ファクタリング・資金調達
売掛債権の種類で変わるファクタリングの審査通過率
同じ「売掛金」でも、債権の種類によってファクタリングの審査通過率は大きく変わる。種類別の評価ポイントを解説。
ファクタリングは「売掛金を売却する」サービスだが、すべての売掛金が等しく扱われるわけではない。債権の種類で審査通過率と手数料が大きく変わる。本稿では債権タイプ別の評価ポイントを整理する。
1. 商品売買代金債権
最もスタンダードな債権。商品納品後、検収完了で確定する売掛金。請求書ベースで審査が早く、手数料も標準相場(2社間10〜15%)で扱われる。
評価ポイント: 検収書・受領書の有無、納品の完了確認、過去の支払実績。
2. 役務(サービス)提供債権
コンサルティング・システム開発・教育サービスなど。納品物が無形のため、業務完了の証明書類が薄い場合がある。
審査の難易度: 商品売買より一段高い。業務完了報告書・受領印・成果物確認書のいずれかが必要。
3. 工事請負代金債権(建設業)
出来高払い・分割払いの特殊性があり、専門ファクタリング会社が必要。一般的なファクタリング会社では断られることもある。
推奨サービス: 株式会社No.1 の建設業者特化ファクタリングのような業種特化型。
4. 注文書・発注書ファクタリング(将来債権)
納品前・検収前の段階で発注書をベースに資金化する。リスクが高いため対応会社は限られる。
手数料相場: 10〜20%と高め。トップ・マネジメントの見積書・受注書・発注書ファクタリングなどが対応。
5. 賃貸借料金・リース料金債権
不動産賃貸・機械リースなどの定期収入債権。継続性が高く審査通過率も高いが、扱う会社は限定的。
6. 医療・介護報酬債権
診療報酬・介護報酬は支払者(社保・国保連)の信用力が高く、低手数料での資金化が可能。専門の医療ファクタリング会社が存在する。
7. 公的機関(国・自治体)向け債権
支払信用力は最高クラスだが、債権譲渡禁止特約が付くケースが多く、3社間ファクタリングは実質不可。2社間でも登記制限がある場合がある。
債権の種類別 通過率と手数料の目安
| 債権種類 | 審査通過率 | 手数料相場 |
|---|---|---|
| 商品売買代金(大手向け) | ★★★★★ | 2〜10% |
| 商品売買代金(中小向け) | ★★★★ | 5〜15% |
| 役務提供(IT・コンサル) | ★★★★ | 5〜15% |
| 工事請負(完工後) | ★★★★ | 5〜15% |
| 工事請負(出来高) | ★★★ | 10〜20% |
| 注文書(将来債権) | ★★ | 10〜25% |
| 医療・介護報酬 | ★★★★★ | 1〜5% |
| 公的機関向け | ★★★★★(2社間のみ) | 2〜10% |
審査通過率を上げる準備
- 請求書・契約書・検収書を一式揃える
- 過去6ヶ月分の入金履歴(同じ売掛先からの)を用意
- 取引基本契約書の有無を確認
- 売掛先の信用調査会社レポート(あれば)
よくある質問
Q. 個人向け売掛金(B2C)はファクタリングできますか?
A. 一般的なファクタリングは法人間取引(B2B)が中心です。個人向け売掛金は審査通過率が大きく下がるため、扱う会社は限定的です。
Q. 1つの請求書を複数のファクタリング会社で分割できますか?
A. できません。同一の売掛債権を複数社で資金化することは「二重譲渡」となり、犯罪行為に該当します。
ファクタリングは「売掛金の種類」を見極めることから始まる。自社の主力債権が何かを把握し、それに強い会社を選ぶのが最短ルートだ。